書評: 12月 2009

2009年12月27日日曜日

成功は一日で捨て去れ 柳井 正 (単行本 - 2009/10/15)


相変わらず、含蓄のある言葉が並んでいた。
前文には厳しい言葉が並んでいる。
「最近は、成功というものを取り違えている日が増えた気がする。本当はたいした成功ではないのに、自分が相当大きなことをやり遂げたような錯覚をしているのだ。これらは決して成功と呼ぶべきものではなく、むしろ成功という名の失敗をしたのではないだろうか。ちょっとした成功ならすぐ捨てるくらいの強い意思が必要だ。一番のお客さまそっちのけで、小さな成功だけで満足してはいけない。」
以下、気に止まった言葉を記述する。
○安定志向という病
 「現場・現物・現実」・・・本田のDNAと同じ言葉である。
 「即断・即決・即実行」
○会社を成長させようと思ったら、「現状満足」では絶対にだめで、現状を否定しつつ変えていかなければならない。そうするには経営者や幹部自身がまず、自分を変えようとしなければならないし、それができなければ会社は変わらない。
○日本企業最大の弱点は経営者
 経営者は組織の一番上にいて自分は仕事の指示だけして、問題がでたらしたの人が泥をかぶる。個々の仕事の目的や本質がわかっていないから、指示や命令も的外れなことが多く、伝えられた部下はしらけてしまう。判断力が乏しく、実務で人を動かして成果を出すということがあまりしていない経営者も多いのではないか。
○売値の決まり方と値引きの考え方
 実務能力の高いMDhodo、早め早めに売変処理をしていく傾向がある。もし、それで粗利益がとれなかったら、売れる商品を追加すればよいからだ。
○SPAの強みは「金の鉱脈」発見
 SPAは圧倒的な売れ筋を発見するまで、何度も何度もサイクルを自社でまわせる。
○成長は捨て去れ
 再強化、再成長の3つの成長エンジン・・・組織開発、立地・業態開発、商品開発
○大型店は販売効率が落ちる
 ユニクロの㎡あたり売り上げ高:88.5万円/年間・㎡(2008年8月期)
                     24.3万円/月・坪
○ドラッカーの名言
 「企業の目的として有効な定義はひとつしかない・すなわち、顧客の創造である。」
 「あらゆるものが、強みによって報酬を手にする。弱みによってではない、したがって、常に最初に問うべきは「われわれの強みは何か」である。」